過去問分析シートとは

このページではD組の誇る医学部入試データベースのうちの一つ,過去問分析シートについてご紹介いたします。

過去問分析シートの定義

D組では「過去問分析シート」という言葉は主に次の2つを指して使っています。

入試問題の特徴を高度に分析するためのアルゴリズム

アルゴリズムにより算出された入試情報のデータベース

過去問分析シート(以下,分析シート)は他の医学部予備校にはありません。D組の理念をもとにD組が独自に開発した進路指導用のシステムです。分析シート自体は医学部に限ったシステムではありませんが,医学部専門予備校D組では分析シートを医学部入試の分析に活用し,他の医学部情報と組み合わせて医学部に特化した固有の情報を作成しています。

進路指導に最高のツール

少子化と個別最適化教育に伴う価値観の変遷で,現在も増え続ける医学部入試方式

受験生だけでなく医学部にも個性があります。「偏差値で分けただけの十把一絡げの進路指導」で良いわけはありません。進路指導には常にあらゆる入試情報に速やかにアクセスできることを求められます。D組の分析シートは進路指導において知りたい情報へのアクセスを簡潔なものにします。

積読となる医学部受験情報誌の数々

よくある進路指導の情報誌には本当にほしい情報があるでしょうか。ぼんやりとした校風と所在地と入試方式といったインターネットで手軽に手に入るような情報しか載っていないのではありませんか。あなたの大切な受験生に,より充実した進路指導を実現するために。D組の分析シートは簡単には手に入らない専門的で鮮明な私立医学部受験情報で構成されています。

各教科の専門家が構築し分析

質の高い医学部受験指導は極めて難しい

偏差値が同じ医学部が同じ難度であるわけはありません。私立医学部の出題には個性がありアドミッションポリシーが反映されています。全国の医学部の入試方式や偏差値を把握するだけでも手一杯ですが,それだけでは受験生一人ひとりに合わせた大学入試を紹介するのには不十分です。しかし,入試科目すべてにおいて難度や分量,出題傾向まで一人で正確に把握することは不可能です。ここで情報収集を諦めてしまうとありきたりな質の低い指導となってしまいます。D組は医学部受験指導の重たい扉を開くため,分析シートを構築しました。

本当にほしい私立医学部受験情報はここに

分析シートは各教科の専門家が熟練の見識を駆使して仕上げた極めて専門性の高いデータベースです。医学部入試の各教科を知り尽くした専門家が合格にあたって要する能力や出題分野,問題の特徴を細かく分析して作成したデータを,専門家の意見をもとに作成したD組独自のアルゴリズムによってコンピューターで統計しています。このため分析シートは「大学がどのような学生を求めているか」「現在からどのように対策していくべきか」を明確にします。分析シートは偏差値ランキングや入試難易度からは読み取れない医大別の適性情報を驚くほど鮮明にするのです。

設問ごとに分析

多くの医学部専門塾や医学部予備校で解答速報の際に公開されるのは,科目全体での大雑把な分析です。良くも悪くも作成者の「お気持ち」に左右される分析です。D組では設問ごとに「要する能力」「出題分野」「要する時間」「出題の特徴」を数値化しており,そこから設問の難度や全体の難度を独自の計算式で算出しています。当然ですが計算式はただ設問ごとの数値を平均するだけのものではありません。制限時間のある試験ですから設問には「時間をかけるべきかどうか」という優先度が存在するのです。ただ平均すればいいわけではないのです。また,設問ごとに数値化して統計を取っているため,一つ強い個性を有する設問があると全体としてもその個性が優先された評価となってしまうようなヒューマンエラーは起こりえません。分析シートは,より自然に医学部合格基準に対する総合評価が現れるように,いたるところが工夫されています。

分析シートの項目解説

合格に要する能力の定義
共 通
見極力
解きやすい問題を選択する力

私大医学部の入試では制限時間が極端に厳しいことが多い。見極力とはそういった制限時間の足りない入試,および出題ミスが含まれる入試において効果を発揮する力。解きにくい問題を敬遠して解きやすい問題に時間を当てられる潔さ。一般に粘り強さとは逆の能力である。諦めの良さ。十分な制限時間が与えられた無理のない試験では必要としない。

英 語
基礎力
教科書レベルの文法の理解

通常の学校の授業,あるいは一般的な市販の文法参考書や問題集レベルの学習を進めておけば解答可能なレベルの問題が解ける,あるいは英文を読むことができる力。規則を正しく理解できているかによって得点力に差が出る問題で必要。 語学的なセンスで解答を求めるタイプの問題では必要としない。

知識力
語彙・熟語・語法の知識

小問集合,長文読解,英作文等を問わず,問題に解答する上で必要とされる知識が身についているか。専門性の高い英文ほど求められる知識が高くなる。 思考力で予測するタイプの問題では必要としない。

読解力
長文を正確に読み解く力

主に長文読解において,正確に内容を把握し,全体の趣旨に関わる問題や前後関係から解答に至るために必要な力。 前後を見ずともその空所や下線部のみで解答可能な問題では必要としない。

表現力
日英双方で正確に表現する力

主に英作文や和文英訳において,自身の考えや,英文などの論点を正確に表現するために必要な力。整序英作文等で英文を完成させる際にも求められることとする。 自ら表現を生み出す必要のない完全客観式の問題では必要としない。

数 学
計算力
高度な計算をやり遂げる力

計算問題において,正しい解答の数値を導く基礎的な能力。 数学力の幹となる能力であくまで,立式の難しさなどは考慮せず,単純に計算の量や難しさ。単純な計算(文字定数を含まない平方完成や整関数の不定積分)などでは計算力はさほど要求されない。

解析力
問題文を正しく読み取る力

何を求めるのか・何を使うことで問題を解くことができるかを正しく読み取る能力。 無駄に文章が長いこともあるので,必要な情報をくみ取る能力。問題文が簡潔な問題,情報を整理する必要のない問題では必要としない。

知識力
解くことに必要な知識の量

コーシーシュワルツの不等式や,積分の双曲線置換・差分解など,教科書にはなくとも受験生として知っておくべき知識の量。教科書問題に載っている知識だけで解ける直接的な問題では必要としない。

初手力
初手の難しさ

複数ある解法から正しい解法を選択する力。極値を求めるための微分など基本的な考え方が一つしかないものは必要としない。また,この数値は「初手」なので各問いにおいて前半に解法を迷う問題があるほど高く,後半に解法を迷う問題があってもさほど高くならない。

物 理
基礎力
原理についての理解

よく知られている公式に当てはめるというよりも,物理概念に関する理解や理論そのものをそのまま組み立てられるかを問う問題。また,頻出でない現象に関するモデルを考察する能力。頻出である現象でも定番の出題の流れからずれたものに対して対応する能力でもある。頻出の現象で定番の流れの問題では必要としない。

応用力
演習経験による慣れ

誘導がなくても一足飛びに組み立てられる力。典型的な問題への強さ。パターン物理に対する強さ。解法がわかっていても計算などが煩雑であり解答へ到達するのが難しい場合にもこれを要する。解法がほとんど与えられており計算の簡潔な問題では必要としない。

知識力
用語を正確に覚えているか

小問集合などで直接的に知識が問われるときに要する力。正誤問題において正誤をはっきり判断するために要する力。特に原子物理は知らないものを考えてもしょうがない問題がほとんどであり,多くはこの知識力と基礎力で対応することになる。組み立てる考察力のみで解答できる問題では必要としない。

把握力
臨機応変に状況を把握する力

複雑な状況から解答に要する情報をだけを抜き出す力。要領の良さ。ノイズキャンセル能力。解ける部分にピンスポを当てる能力。わかるところを切り取る能力。電気回路の度重なるスイッチ操作や,熱力学の度重なる状態変化などで問われる資質。一問一答形式の問題では必要としない。

化 学
知識力
物質, 反応, 解法の知識

主に教科書・参考書に掲載されている知識をしっかり覚えれば解けるようになる化学の基礎的な能力。ただし, マイナーな知識が要求される場合は最大限の知識力を要する。場合によっては教科書的な基礎知識だけで解ける問題もあるうえ, 知識力はあるに越したことはないが, 理論化学の計算や読み取りの問題などでは知識力はさほど要求されない。

読解力
問題文から情報を抽出する力

理論化学の滴定の問題, 有機化学の構造決定問題をはじめとして問題文から必要な情報を抽出して解く必要がある問題で要求される能力。また, 場合によっては知識がなくても問題文に書いてあることから解答が導ける問題もある。 問題文が簡潔な問題,情報を整理する必要のない問題では必要としない。

計算力
手際よく正確に計算できるか

計算問題において, 解答の数値まで正しく導ける能力。mol計算をはじめとした四則演算だけではなく, pH計算のような対数計算, 方程式を解くことや平衡における近似を使った計算, 有機化学の元素分析, 高分子化学の計算などにおいて必要な能力。数値設定がラクな問題ではさほど計算力は必要としない。

思考力
知識や問題文から推測する力

知識や問題文, 図・表・グラフから答えを考えることができる能力。また, 解答のための簡単なやり方を考えることができる能力。問題集にないような問題, どの単元の問題か分かりにくい問題でも要求される。問題集によく載っているような問題や定期テストに出てきそうな問題では必要としない。

生 物
知識力
重要概念や知識を活用する力

生物学の重要な概念や仕組み,歴史的な実験,重要用語,データ(例:正常な血糖値)などを,正しく記憶もしくは理解しているかを問う問題です。その中には「両生類の神経誘導の仕組みについて説明せよ」などの知識系論述も含まれます。データ解析が中心の実験考察型問題では必要としません。

解析力
リード文読解とデータ解析力

初見問題では,受験生に未知の内容を説明するため,問題文が長くなる傾向があります。文章を素早く読み込み,実験条件や設定を頭に叩き込む必要があります。その上で,図表データの解析を行い,作問者が与えた生物学的に興味深いストーリーを読み解く能力です。定石的・定型的な問題や知識問題では必要としません。

論述力
端的に表現する力

自らの知識または解析の結果導き出した事柄を端的に表現する力です。自明な点や重複表現を省き,適切な生物学用語を織り交ぜながら記述します。一部の大学では,洗練された記述の解答に対して,数点分の加点がなされます。マークシートの問題や記号選択,用語を答えさせるだけの問題では必要としません。

計算力
計算の素早さと正確さ

問題の設定条件通りに,正確に計算する力です。単位に細心の注意を必要とする問題もあります。例えば,397/7996などを計算させ,答えを選択させる設問があります。397/7996≒400/8000=0.5と推定できない受験生が多くいます。素早く答えを導く力も重要です。計算を用いない問題では必要としません。

総合評価

分析シートでは分量の評価においての5段階の評価を撤廃し,「完答に要する時間」を導入しました。この時間は「熟練の講師が完答に要する時間」ということではなく,若い受験生の経験の浅さを考慮した上で「試験をギリギリ完答できる受験生が完答に要する時間」として分析されています。大学が定めた制限時間をこえている場合は,それだけ解ききれない問題が生じるということです。制限時間の極めて厳しい私大医学部入試で一次合格のカギを握る最重要の対策は「試験時間の使い方」です。D組では,この「完答に要する時間」に加えて「難度」と「一次合格に必要な正答率(予想)」,および塾生の個性を考慮して,試験当日の時間配分についての作戦を立てています。試験で実力を発揮することができるかどうかはここにかかっています。実力が十分でも合格点がとれるとは限らないのです。受験する前にどのような心づもりで挑めばよいかの客観的指標があることは極めて大切なことです。

医学部専門予備校D組にご興味を持っていただけた方は是非とも、お気軽に資料請求または面談予約をお願いします。

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