聖マリアンナ医科大学医学部数学の傾向と対策!(D組講師 隣 裕之先生)

2024.11.10

今月は医学部専門予備校D組数学科講師の隣 裕之先生に聖マリアンナ医科大学数学の入試対策をお聞きしました。

聖マリ数学には珍しい論述問題あり

Q:隣 裕之先生よろしくお願いいたします。早速ですが近年の聖マリアンナ医科大学の数学には特別な傾向はありますか。

A:私立医学部には珍しく、論述式問題がありますね。整数がテーマの証明問題もよく出題されています。しかし、難しい論述問題ばかりが出題されているわけではなく、他の大学と同様、小問集合がありますし、大問には細かい設問がついています。珍しい問題、例えば共通テストのような会話文形式の出題もありましたね。しかし、どの大問も誘導はとても丁寧で、問われている内容は、受験数学の王道をしっかり勉強していれば、どこかで出会ったことがある典型的な内容だと思います。幅広いレベル、分野の問題がバランスよく出題されていると思います。

聖マリでは、様々な問題に真摯に向き合う受験生を求めている

Q:隣 裕之先生としては、その傾向にはどういった大学の意図が現れていると想像されますか。

A:穴埋め形式、マーク形式の出題が多い私立医学部受験において、受験生は安直な解法暗記やテクニックに走りがちです。しかし、しっかり一つ一つの問題と向き合いながら勉強してきた受験生にこそ合格してほしい、という意図が込められていると思います。会話文による誘導や、目新しい設定されている問題、そして整数問題など、一見すると難しそうな出題であっても、問題文を丁寧に読めば理解できる設問になっていることが多いと感じます。普段から「解法の理由」を考えながら勉強をしてきた受験生なら、ちゃんと意図が読み取れるのではないでしょうか。

聖マリの合格水準に達するための努力

Q:現在、まだ合格水準に足りていない受験生が聖マリアンナ医科大学医学部の合格水準に達するための努力としてはどういったものが考えられますか。

A:入試問題は様々な分野から出題されています。過去にはデータの分析や多面体定理、整数の論証、空間図形など、受験生が見落としがちで苦手な分野からも出題されています。しかし、そのような出題頻度が少ない分野を浅く広く勉強をするよりも、まずは腰を据えて、数学Ⅲの微分法・積分法や数列・ベクトルなどの出題頻度が高い分野を丁寧に勉強しましょう。解き方を覚えるだけではなく、なぜそのように解くのか、何のためにこの計算をしているのか、自問自答しながら、理解が伴った勉強をしましょう。また、煩雑な計算を乗り越える力も問われます。受験が近づいてきた今こそ、これまでやってきた問題を最後まで解き直すことが大切です。答えまでたどり着ける計算力は、穴埋め形式の出題では大きな差がつきます。

聖マリ合格者に共通する特徴

Q:これまで聖マリアンナ医科大学医学部に合格してきた受験生にはどういった特徴がありましたか。

A:合格者のイメージは、真面目でコツコツ頑張る子、ですかね。他の大学からの吉報が届かず、苦しんでいた受験生の、「聖マリアンナ医科大に合格しました」という報がとても思い出に残っています。その生徒が素直で真面目な子だったなぁという思い出だけですけどね。2次試験も含めて、しっかりと受験生を見てくださっている大学、という印象があります。

失敗しない受験とするために

Q:聖マリアンナ医科大学医学部の入試当日に気を付けてほしい点はありますか。

A:どの大学でも同じかもしれませんが、本番は普段以上に時間が速く流れます。試験時間は90分と長いですが、時間配分を誤ると大失敗する恐れがあります。まずは最初の科目、数学で大失敗しないように気を付けて欲しいですね。

    ・ 解くのに時間がかかっているなと感じたら、一度その問題を飛ばし先に進む。
    ・ 問題文を一部分だけ読んでも意図がくみ取れないときは、その先まで目を通す。
    ・ 設定がよくわからないときは、具体的に書き並べてみることでイメージを掴む。

そういう「失敗が起こりそうになった時には何をすればよいか」という戦略を決めておくことが大切だと思います。本番で実力通りの得点を取るために、どれだけ「想定をしておくか」が鍵になると思います。本番では想定外なことなんて起こらないはずです。

あなたが信じられる自分をつくっていくこと

Q:いよいよ冬期、直前期を迎えラストスパートに入る受験生に熱いメッセージをお願いします。

A:ここまで1年間頑張ってきたことを信じてやり切ることが大切です。直前期になると、様々な情報を目にして不安になることがあります。周りの受験生が賢そうに見えたり、はるか先を進んでいるように見えたりします。しかし、一番信じるべきは、今までの努力とその継続です。新しい問題集に手を出したりするのではなく、これまで学んできたことを継続し解法の再現性を高めましょう。過去問を解いて悩んだ時は、これまで解いてきたノートや問題集に目を通し、これまでの知識とすり合わせましょう。どこかで似たような問題を解いたことがあるはずです。受験本番が一番楽しいのです。その楽しい時間を味わうために、全力で努力しましょう。

隣 裕之先生の座右の銘とは?

Q:最後に隣 裕之先生の座右の銘を教えてください。

A:座右の銘は、「悩んだらどっちも正解」です。十分に悩んでから選んだ事は全部正解だと思っています。他方を選んでいれば、と悔やむ必要はないのです。そちらを選んだ方が、後悔が大きかったかもしれませんよね。後悔するより反省する。反省すると成長する。そしてより良い選択肢が選べるようになるのです。ちょっとカッコつけすぎましたね。

なるほど、何かと選択肢の多い人生ですから毎回後悔していたら大変ですものね。「悩んだらどっちも正解」「後悔するより反省して成長する」とても心に響きました。先生の今回のアドバイス、そのすべてが受験生へのメッセージ性と愛情に溢れていました。講義でも教室ではなく生徒一人ひとりを見ている先生のお人柄が現れているのだと思います。隣 裕之先生ありがとうございました。引き続きD組の医学部受験生たちにも熱意あるご指導をよろしくお願いいたします。

医学部専門予備校D組では、現在の成績に関係なく、10人程度の少人数クラスで隣 裕之先生の数学の対面講義を受けることができます。
少人数制だからこそ可能な、きめ細やかな指導と、質疑応答の時間を豊富に設けることで、生徒一人ひとりの理解度を深め、着実に実力アップを目指します。
さらに、アットホームな雰囲気の中で、周りの生徒と切磋琢磨しながら学ぶことができるのもD組の魅力です。

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