東北医科薬科大学医学部数学(2024年度/一般)-入試情報
出題形式
すべてマークシート形式
試験時間
70分
難度(5段階)
3.8(やや難しい)※
分量(必要時間)
85分(やや多い)※
合格に要する正答率予想
63% ※
大問数
3問
出題内容
3次関数, ランダムウォーク, 楕円
求められているもの
標準的なもあるが応用力が必要な問題も含まれており、ただ機械的な処理ができる学生ではなく知識の運用ができるような学生を求めていると考えられる。
※難度、分量、合格正答率は講師コメント・編集部推定。
今月は医学部専門予備校D組数学科講師の橋本直哉先生に東北医科薬科大学数学の入試対策をお聞きしました。
微積分を制する者が合格を制する! マークシート形式に強くなる!
橋本直哉先生よろしくお願いいたします。早速ですが近年の東北医科薬科大学の数学には特別な傾向はありますか。

近年の東北医科薬科大学の数学試験は、大問3題・70分・全問マークシート形式で実施されており、幅広い分野からの出題が特徴です。特に微積分は頻出であり重点的な対策が求められます。典型的な問題も多く出題されこれまで学習した成果が現れやすいのですが、中には計算量が多い問題も含まれているので注意が必要です。マークシート形式では、記述式ではなく選択式のため、正確な計算と選択肢の見極め力が問われます。ケアレスミスを防ぐためにも、過去問や類題で形式に慣れておきましょう。
「誠実な努力を評価する入試」出題意図と対策方針
橋本直哉先生としては,その傾向にはどういった大学の意図が現れていると想像されますか。

傾向でもお話ししたように、東北医科薬科大学の数学受験では、どの参考書や問題集にも掲載されているような典型的な問題の出題割合が高い傾向が見られます。したがって、普段から真面目にコツコツと学習してきた人が試験で結果を残しやすい入試問題となっています。このような出題方針からは、大学側が直向きな努力を惜しまない人材を求めているという明確な意図が感じ取れます。医療人としての誠実さや継続力を重視する姿勢が、入試問題の設計にも反映されていると言えるでしょう。
したがって、受験対策においては、標準的な問題の確実な理解と反復演習を中心に捉え、奇をてらった学習よりも基礎力の充実と継続的な努力を重視するという大学側の意図が感じ取れます。
「速く・正確に」典型問題を制する者が合格を掴む
現在,まだ合格水準に足りていない受験生が東北医科薬科大学医学部の合格水準に達するための努力としてはどういったものが考えられますか。
まずは典型問題の確実な処理力を養うことが優先です。予備校に通っている方なら、前期テキストや夏期テキストに載っている問題を素早く正確に解けるようにしましょう。難問も出ないわけではないのですが、合否を分けるポイントは【典型問題の処理速度】です。現在合格ラインに到達していない生徒さんはこの部分を固めることを意識してみてください。また、微積分では計算量が多い問題が出題されやすいので、微分計算・積分計算は日々鍛えていきましょう。
標準問題に強い受験生が伸びる一選抜方針と学習戦略
これまで東北医科薬科大学医学部に合格してきた受験生にはどういった特徴がありましたか。

初見の問題にはやや不安が残るものの、過去に解いたことのある典型的な問題には、確実に対応できる力を持っているという点です。つまり、標準的な問題を正確に処理できる生徒さんが良い結果に繋がる傾向があります。学習成果を発揮しやすい大学だからこそ、日頃の学習サイクルを丁寧に回し、学習した内容の定着率を高めていくことが重要であると考えます。また、本学の入試問題は比較的綺麗な形で出題されることが多いので、国公立が第一志望であった受験生でも十分に対応可能であり、実際に合格しているケースも多く見られます。これは、基礎力と誠実な学習姿勢を重視する本学の選抜方針とも一致していると考えられます。
取れる問題を落とさない入試本場で差をつける時間戦略
東北医科薬科大学医学部の入試当日に気を付けてほしい点はありますか。
これはどの大学にも言えることなのですが、入試本番では【取れる問題を落とさない】ということです。計算量の多い問題や難易度の高い問題に時間を費やしすぎて、本来解けるはずであった問題に手がつかないという状況は絶対に避けなければいけません。そのためには各大問に使える時間を設定しておき、必ずすべての問題に目を通せるようにしましょう。確率や微積分では苦戦しやすい問題が出題されやすいので、思い切って次の問題に取り掛かるのも良いかもしれません。
合格に必要なのは特別なことではない、迷った時こそ相談と実行
これから受験期に入る受験生に一言お願いします。

少しずつ肌寒くなり、受験の足音も聞こえるようになってきました。受験生にとっては受験が間近に迫ってきて焦りが出始める時期かと思います。過去問を解いてみても中々思うように解けなかったり、予備校の授業でも分からない問題があったり、様々なタイミングで焦りを感じるかと思います。そういった時こそ一人で考えずに周りの信頼できる講師に相談するのが良いです。やるべきことを明確にし、それを愚直にやり続ける。合格に必要なことは特別なことではありません。
「努力が伝わる瞬間」講師としての喜びと使命
最後に橋本直哉先生の「講師として大切にしている価値観」を教えてください。
私が講師として大切にしている価値観は「自分が受験生だったら受けたいと思う授業をする」ということです。私も浪人を経験し、様々な講師の授業を受けてきました。そんな過去の自分が「この先生の授業を受けたい!」と思える授業を行うことを常に意識しています。そういった日々の努力が生徒に伝わったと思える瞬間があるのがこの仕事をやっていて嬉しい瞬間の1つです。
なるほど,橋本直哉先生ありがとうございました。引き続きD組の医学部受験生たちにも熱意あるご指導をよろしくお願いいたします。
医学部専門予備校D組では現在の成績に関係なく10人程度の少人数クラスで橋本直哉先生の数学の対面講義を受けることができます。少人数制だからこそ可能なきめ細やかな指導と,質疑応答の時間を豊富に設けることで生徒一人ひとりの理解度を深め,着実に実力アップを目指します。さらに,アットホームな雰囲気の中で周りの生徒と切磋琢磨しながら学ぶことができるのもD組の魅力です。