北里大学医学部化学(2024年度/一般)-入試情報
出題形式
選択肢
試験時間
50分(理科2科目100分)
難度(5段階)
2.2(やや易しい)
分量(必要時間)
50分(標準)
合格に要する正答率予想
76%
大問数
5問
出題内容
理論、無機、有機
求められているもの
例年に比べると2024年度は平易な問題が多かった。幅広い分野から満遍なく出題されるので、教科書レベルの知識をくまなく身に付けておくことが望まれる。
※難度、分量、合格正答率は講師コメント・編集部推定。
今月は北里大学化学の入試対策について、医学部専門予備校D組化学科講師の枡見康平先生にお聞きしました。
出題傾向を分析・試験攻略のポイント
枡見康平先生よろしくお願いいたします。早速ですが近年の北里大学の化学には特別な傾向はありますか。

過去10年以上にわたり大問5題が全てマークシート形式で出題される傾向は変わっていません。出題内容は、理論分野・無機分野・有機分野・正誤問題・計算問題がバランスよく構成されています。難易度は、セオリー通りに解けば正解できる標準レベルが中心ですが、計算問題では数値計算よりも文字式の処理が多く求められます。
正誤問題では、実験操作の意味、用語の定義、現象の理解が求められ、それらを正しく把握していないと正答できないように、よく練られた選択肢が多く含まれています。また、毎年1題ほど初見の題材で「これは難しいぞ?」と思わせる問題が出題されるのも特徴です。
試験の狙いと特徴・出題傾向を読み解く
枡見康平先生としては,その傾向にはどういった大学の意図が現れていると想像されますか。
細かい数値計算は少ないものの、文字式の処理が多い点や正誤問題の選択肢の構成から化学を正しく理解し問題文を正確に読み取れる受験生を求めている意図が感じられます。
初見の問題は、合否を決める要素ではありませんが問題文を丁寧に読み与えられた条件を的確に活用すれば解けるように設計されています。
計算だけでは不十分! 本質を捉える勉強術
現在,まだ合格水準に足りていない受験生が北里大学医学部の合格水準に達するための努力としてはどういったものが考えられますか。

まず、第一に化学を正しく理解することが重要です。「公式に数値を代入して計算するだけ」という勉強法では十分な理解につながりません。用語の定義や式の成り立ちをしっかりと理解する努力をしましょう。もう1つのポイントは、問題文を読む際に手を動かしながら状況を把握する習慣をつけることです。
授業中、先生とのやり取りで「問題文は読んだ?」「読みました!」「塩酸を何mL滴下した?」「えーっと…」といった状況に心当たりがある人もいるのではないでしょか。
問題文を読むときは、常に手を動かしながら内容を整理し、確実に理解する習慣を身につけましょう。
反復練習で合格への努力型受験生の戦略
これまで北里大学医学部に合格してきた受験生にはどういった特徴がありましたか。
天才型の受験生よりも、努力型の受験生が多かった印象です。
問題文を正確に読み取れるようになるには、多くの問題文を読み、繰り返し問題を解くことが必要です。
すぐにできるようになるわけではないので、根気強く学習を続けられる人に向いていると思います。
試験環境への備え・快適に受験するためのポイント
北里大学医学部の入試当日に気を付けてほしい点はありますか。
北里大学に限らず、試験では問題用紙や解答用紙の注意事項をきちんと読むことが重要です。
マークシート形式のため、塗りやすいHBの鉛筆を持参しましょう。
知識系の問題は、直前まで一問一答形式で確認すると効果的です。
横浜会場では、気温が低いことがあるようなので、ひざ掛けなどを持参すると安心です。
理解から始める学習・問題を解ける力をつける方法
新学期を迎え受験勉強を本格的に始める受験生に熱いメッセージをお願いします。

受験勉強を始めたばかりの頃は「何から手つけたらいいかわからない」と感じることが多いと思います。
そんなとき、アドバイスを与えペースメーカーになってくれるのが予備校の存在です。
どんな科目でもまずは「理解」が最優先です。
先生の説明をしっかり聞くことから始め、そこから解ける問題を一つずつ増やしていきましょう。
親としての考え方受験より今を楽しむ
最後に枡見康平先生の「大切なもの」を教えてください。
私が一番大切にしているのは家族、特に3人の子供たちです。
子育ては大変ですが、それが当たり前のことなのでネガティブな感情を抱いたことはありません。
この仕事をしていると「子供の受験はどうするの?」と聞かれることもありますが、正直なところまだ何も考えていません(笑)。
一番上の子は私に似てゲームが好きで家ではゲームばかりしていますが、それが将来何かの役に立つかもしれません。
小学生・中学生のうちは、それぞれが好きなことを自由に楽しめるよう温かく見守っていこうと思っています。
なるほど,枡見康平先生ありがとうございました。引き続きD組の医学部受験生たちにも熱意あるご指導をよろしくお願いいたします。
医学部専門予備校D組では現在の成績に関係なく10人程度の少人数クラスで枡見康平先生の化学の対面講義を受けることができます。少人数制だからこそ可能なきめ細やかな指導と、質疑応答の時間を豊富に設けることで生徒一人ひとりの理解度を深め、着実に実力アップを目指します。さらに、アットホームな雰囲気の中で周りの生徒と切磋琢磨しながら学ぶことができるのもD組の魅力です。