埼玉医科大学医学部数学(2024年度/一般(前期))-入試情報
出題形式
マークシート
試験時間
50分
難度(5段階)
3.5(標準)※
分量(必要時間)
67分(多い)※
合格に要する正答率予想
71% ※
大問数
4問
出題内容
小問集合、3次関数、平面ベクトル、確率
求められているもの
全体としては問題の難易度は高くないが短時間で多くの問題が含まれ、一部解きづらい問題問題もあることから、適切な判断力・処理能力のある学生を求めていると考えられる。
※出題形式、難度、分量、合格正答率は講師コメント・編集部推定。
今月は埼玉医科大学数学の入試対策について、医学部専門予備校D組数学科講師の吉永学司先生にお聞きしました。
埼玉医科大学の数学に解けないような問題はない
吉永学司先生よろしくお願いいたします。早速ですが近年の埼玉医科大学の数学には特別な傾向はありますか。

微積分や場合の数・確率が頻出であるなどの特徴はありますが、特別な傾向はありません。
問題のレベルは基礎レベルが多く、計算量も決して多くはないものの、大問が4題に対して試験時間が50分となっており、すべてを完全に解ききることは難しいと思います。解けないような難しい問題がないからこそ50分間の使い方が合否に直結します。
求められているのは客観性と処理能力の高い学生
吉永学司先生としては,その傾向にはどういった大学の意図が現れていると想像されますか。
問題の難易度については本当に基礎レベルが中心の出題なので、受験テクニックに偏るような勉強ではなく、きちんと基礎的な部分から数学の勉強した学生を求めていると考えられます。
また、問題は易しいものの試験時間を考えると完璧にすべてを解ききることは難しいため、手早く解ける問題か否かを自分の学力と照らし合わせて客観的に判断できる自己分析能力・計算スピードも含めた処理能力の高い学生を求めていると考えられます。
コツコツと物事に取り組むことができる能力・物事を客観的に捉えられる能力・処理能力は医師として働くうえで非常に重要な能力であるため、この点に重点を置いているのではないかと考えられます。
とにかく基礎力をあげること
現在,まだ合格水準に足りていない受験生が埼玉医科大学医学部の合格水準に達するための努力としてはどういったものが考えられますか。
とにかく基礎力をあげることです。それ以外にはありません。
数学に関しては試験時間の縛りがなければ基礎力があれば解けます。逆にいうなら制限時間の縛りがない状況で解けない問題がある場合は学力不足以外の何物でもありません。
試験時間を意識した場合には難しく見える問題もあるかもしれませんが実際は難しくありません。まずは試験時間を意識せずに「ゆっくり解いて満点」が取れるように学力をつけてください。
問題数をこなすことは十分条件ではない
これまで埼玉医科大学医学部に合格してきた受験生にはどういった特徴がありましたか。
4月の時点では「テストの成績という意味で優秀ではなかった生徒」でも努力を重ね、1年で逆転合格する生徒が多数います。
「医学部の数学は難しい」という先入観を持ち、基礎を疎かにして問題集ばかり解いているような受験生よりも、しっかりと一つずつ公式を意味まで理解をし、着実に基礎力をつけている学生が合格をしていると思います。
理解の伴った公式暗記が出来ていれば処理スピードは上がります。問題集だけをたくさん解いたら成績があがって合格するというような幻想は捨てましょう。
あくまで問題数をこなすことは必要条件であって十分条件ではありません。
手を出した問題は満点を目指す
埼玉医科大学医学部の入試当日に気を付けてほしい点はありますか。
しつこいようですが問題は基礎レベルが中心です。
試験時間内に全てを解ききることが難しくても、手を出した問題は満点を目指しましょう。そのためにはしっかりと問題文を読み、問題の設定を読み違えないことも大切です。日ごろからしっかりと文章を読む練習をしましょう。
「どうやったら頑張れるか」なんて考えている時点で受験生じゃない
新学期を迎え受験勉強を本格的に始める受験生に熱いメッセージをお願いします。

夢・目標を声に出して言いましょう。そうすれば周りが応援してくれます。
現時点でそれを言うのが恥ずかしいと思うなら、すでにあなたは努力することから逃げています。結果が出るのは未来であり、今ではありません。未来に向けて結果が出るまで努力をすれば良いだけです。
受験勉強を始めると孤立しがちな受験生もいますが、メリットがゼロとは言いませんが孤立はデメリットも大きいです。応援してくれる人が近くにいるだけでもモチベーションにつながります。だからこそ絶対に夢・目標を声に出して周りも巻き込んだ環境を作りましょう。
頑張るかどうかはあなた次第です。「どうやったら頑張れるか」なんてことを考えている時点で受験生ではありません。受験を迎えるただの人です。
夢や目標を持っているみなさんが受験生として受験を迎えられることを願っています。
吉永先生の好きな定理
最後に吉永学司先生の好きな定理・公式を教えてください。

「中点連結定理」です。
なんか必殺技みたいで強そうな名前じゃないですか?
あとは「ブラーマグプタの公式」とかも強そうじゃないですか?
逆に「ヘロンの公式」って響き的になんか弱そうな気がしませんか?
この話、授業で毎年話すんですけど全然共感されないんですよね…
みなさんの推し定理・推し公式はなんですか?
なるほど,吉永学司先生ありがとうございました。引き続きD組の医学部受験生たちにも熱意あるご指導をよろしくお願いいたします。
医学部専門予備校D組では現在の成績に関係なく10人程度の少人数クラスで吉永学司先生の数学の対面講義を受けることができます。少人数制だからこそ可能なきめ細やかな指導と、質疑応答の時間を豊富に設けることで生徒一人ひとりの理解度を深め、着実に実力アップを目指します。さらに、アットホームな雰囲気の中で周りの生徒と切磋琢磨しながら学ぶことができるのもD組の魅力です。