日本大学医学部数学(2024年度/N方式)-入試情報
出題形式
論述
試験時間
60分
難度(5段階)
2.7(標準)
分量(必要時間)
60分(標準)
合格に要する正答率予想
90%
大問数
3問
出題内容
積分計算, 微分法(Ⅲ), 積分計算と2次関数
求められているもの
全ての問題をきっちりと解ききることが前提となる入試なので、当たり前のことをきっちりとやりきる学生を求めていると考えられる。
※難度、分量、合格正答率、大問数は講師コメント・編集部推定。
今月は日本大学数学の入試対策について、医学部専門予備校D組数学科講師の橋本直哉先生にお聞きしました。
2次試験の記述対策!答案で考え方を表現するコツ
橋本直哉先生よろしくお願いいたします。早速ですが近年の日本大学の数学には特別な傾向はありますか。

日本大学は、私立医学部の中では唯一1次試験・2次試験ともに数学の試験が課される大学です。解答方式は1次試験がマーク形式、2次試験が記述形式となっており、難易度はどちらも基礎〜標準レベルで私立医学部の中では解きやすい難易度となっています。解きやすいとはいえ1次試験では試験時間あたりに解く問題数が多いので、しっかり高得点を取るためには典型問題に対する処理速度を上げ、ミスなく正確に計算できる能力が必要となってきます。また、2次試験は記述形式になっているので、日頃から自分の考えを答案の上で表現できるようにしておきましょう。
2次試験対策: 理論的思考を答案で表現する方法
橋本直哉先生としては、その傾向にはどういった大学の意図が現れていると想像されますか。
1次試験では、典型的な問題が幅広い分野から出題されており今まで学習してきた内容を試験時間内で出せるかが鍵となってきます。大学側としては、学習した内容がしっかりと使いこなせるレベルにまで昇華できているか、分野の抜けなく全体的に数学の学習ができているのかを問うていると思われます。また、上の特徴でも記したように、試験時間内で高得点をとるための計算処理能力、問題の取捨選択の能力も問われていると考えられます。答えだけ出れば良い1次試験とは異なり、2次試験では解答に至るまでの自分の考えを記述する必要があります。ここでは、日頃から論理的に物事を分析しそれを他者に伝えようとする姿勢を評価しようという大学側の意図があるのではないかと思います。
知識を活用する!過去問を使った実践的トレーニング
現在,まだ合格水準に足りていない受験生が日本大学医学部の合格水準に達するための努力としてはどういったものが考えられますか。

まずは1次試験の問題をしっかりと解くことができる学力を身に付けていくことです。そのためには、予備校のテキストや市販の参考書・問題集などで、典型問題に対する考え方や解法などをしっかりとインプットすることが必要となってきます。この学習段階では単なる解法暗記にならないように、何がポイントなのか、なぜこういうことをしようと思うのかという点を意識しながら定着させていきましょう。その後はインプットした知識を瞬時に取り出し、適切に利用できるように過去問を用いて練習していきましょう。
典型問題を素早く正確に解く力を身につける方法
これまで日本大学医学部に合格してきた受験生にはどういった特徴がありましたか。
これは日本大学に限った話ではないのですが、日々の小テストや週・月次のテストでしっかり高得点を取り続けることができている生徒が良い結果をいただいている傾向が強いです。一度解いたことのあるテーマの問題を素早く正確に解き切きれることは、どの医学部に合格するためにも必要な条件であると思います。難しい問題を解くことに集中してしまって典型的な問題を解くスピードが遅いや、そもそも苦手な分野がある生徒などは1次試験で苦労する傾向があります。日々の学習を疎かにせずやるべきことをしっかりとやっている受験生は強いですね。
特典を最大化!解ける問題を確実に取りきる方法
日本大学医学部の入試当日に気を付けてほしい点はありますか。

やはり試験時間の制約が強い1次試験での時間配分に気を付けていただきたいです。基礎〜標準レベルの問題とは言っても中には計算量が多い問題があり、試験本番で解法が上手く思いつかない問題なども出てくると思います。そうした際には、次の問題に取り掛かってみたりマーク形式である特性を活かして問題を解いてみたりと試験時間内で自分が取れる得点を最大化することが重要です。1次試験の得点は標準化されますので、すべての問題に手を出し取れる問題をすべて取り切ることを目標にしましょう。
知識がつながる瞬間の楽しさを学習に活かそう!
新学期を迎え受験勉強を本格的に始める受験生に熱いメッセージをお願いします。
これから医学部受験に向けた学習をスタートさせるあなたに、まず伝えたいのは「数学は積み重ねの科目」であるということです。入試で出題される問題を解く力も、初見の問題に対応する対応力も積み重ねてきた基礎の上にしか成り立ちません。基礎固めの部分を疎かにせず、しっかりと理解が伴った知識の定着を図っていきましょう。そういった取り組みの中で、今まで繋がりがなかった知識が線で結ばれていくことの驚きや、学習した知識を基にして初見の問題にアプローチすることの楽しさを通じて感じていただければ幸いです。
未知への挑戦と成長の物語
最後に橋本直哉先生の「好きなマンガ」を教えてください。

ネットミームになっている範馬刃牙シリーズも好きなのですが、一番好きなマンガは「HUNTER×HUNTER」ですね!予想を裏切る話の展開や、張り巡らされている伏線の多さなど、時間を忘れて読み込んでしまうほどの面白さです!よく授業中にハンターハンターネタを言うのですが、年々生徒からの反応が薄くなっており少し寂しい思いをしています…受験生の方は受験が終わってからぜひ読んでみてください!最近は休載が続いてしまっているので、いち早く冨樫先生が復帰なさることを願っております。
なるほど,橋本直哉先生ありがとうございました。引き続きD組の医学部受験生たちにも熱意あるご指導をよろしくお願いいたします。
医学部専門予備校D組では現在の成績に関係なく10人程度の少人数クラスで橋本直哉先生の数学の対面講義を受けることができます。少人数制だからこそ可能なきめ細やかな指導と、質疑応答の時間を豊富に設けることで生徒一人ひとりの理解度を深め、着実に実力アップを目指します。さらに、アットホームな雰囲気の中で周りの生徒と切磋琢磨しながら学ぶことができるのもD組の魅力です。